
総合診療科 部長 幡谷 浩史
概要
総合診療科では、外来から入院診療まで幅広い診療と、後期研修医に対する教育、若手医師が中心となる臨床研究(立案から報告まで)を行っている。
外来は救命救急科と補完して共同で行うERと、より小児内科的な慢性疾患を扱う予約外来からなる。ERでは1次救急から対応するため、市中病院と同様に肺炎・気管支炎に代表される呼吸器疾患、胃腸炎・脱水・腸重積に代表される消化器疾患、気管支喘息・アナフィラキシーに代表されるアレルギー疾患、熱性けいれん・てんかんに代表される神経疾患や川崎病などバラエティに富む。けいれん発達外来、尿路感染症外来、川崎病外来については、各専門診療科指導医のもとに後期研修医が外来を担当するなど、ER・外来においても各専門診療科が互いに協力し合い診療にあたっている。
入院に関しても、専門性の高い医師がそろう子ども病院の総合診療科として、専門診療科と適切な分業及び共同作業を目指している。具体的には専門診療科症例に総合診療科が併診として、小児内科的疾患合併の診断・管理や在宅移行・虐待症例などの対応などもおこなっている。
後期研修医に対する教育では、屋根瓦式教育を実施している.具体的には後期研修医1年生の上に中級指導医として2・3年目の後期研修医、その上に上級指導医として総合診療科スタッフがおり,教育・指導とともにチーム医療をおこなっている。総合診療科スタッフは若手医師の主体的活動をサポートし、円滑に業務がおこなえるように配慮している。
臨床研究に関しては、臨床試験科の協力のもと、現在4種類の前向き臨床研究が総合診療科でおこなわれている。後期研修医は自分たちで立案し、報告までをおこなうことを目指しており、学年ごとにテーマを決め,前向き研究をおこなっている。
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診療内容
令和元年度の運営状況
小児科専攻医は1年目9人、2年目9人、3年目8人だった。専任スタッフは、部医長3人、医員4人、非常勤スタッフ1人であり、その他専門診療科からの兼任スタッフ(部門長を含め7人)がいる。
週2回の症例カンファ、4-5月に集中的におこなうマニュアル勉強会の他に、各専門診療科による勉強会を適宜開催している。年5回の都立病院小児科onlineカンファ、年2回の国立成育医療研究センター・埼玉県立小児病院との合同勉強会も定着し、若手スタッフを中心に小児科専攻医が主体的に行っている。
外来
総合診療科予約外来:月曜から金曜の午前
ER:救命救急科と総合診療科のスタッフで指導医を担当し、小児科専攻医や救命救急科の研修医の診療を指導している。
けいれん発達外来:月曜日午後
尿路感染症外来:火曜日午後
川崎病外来:金曜日午後
紹介: |
2,739人(総合診療科およびER)
近隣6市以外の紹介が半分強を占める。
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入院
1,903人の入院(内、紹介患者622人)があった。平均在院日数は7.8日、1日平均37.7人(病床利用率85.7%)の患者を主科として診療を行った。基礎疾患を有する患者の割合が比較的高く、胃管などの消化器系や気管切開などの呼吸器系に何らかのデバイスを必要とする患者がおよそ1/3を占めた。
他診療科の症例の全身管理などを目的とした多くの併診を担当した。
論文・学会発表
学会・研究会での講演・論文発表:41件
(査読のある論文の筆頭著者:16件)
指導医・専門医資格(専任スタッフのみ)
日本小児科学会認定指導医8人、専門医7人
昨年秋の小児科学会専門医試験合格小児科専攻医9人
専任スタッフの所有指導医・専門医資格として以下のものがある。
日本腎臓学会専門認定医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医、
日本移植学会移植認定医、日本アレルギー学会認定専門医、
日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医