先天性股関節脱臼や内反足といった小児の運動器疾患や、上腕骨顆上骨折やモンテジア骨折といった小児の骨折等を主に治療しています。
小児整形外科は、運動器疾患や外傷の治療を、成長による変化を考慮しながら行なうことが特徴です。成長に伴う運動器の形の変化、身長・体重の増加による運動器への負担の増加といった点を念頭に置いて、運動器の持つ問題がお子さんの成長発達の妨げにならないように治療を計画しています。
先天性股関節脱臼の治療後、成長期に明らかとなる遺残亜脱臼に対して行うソルター骨盤骨切り術などの、初期治療後に残された変形に対する各種補正手術も積極的に行っております。
左大腿骨転子間減捻内
反骨切り術のレントゲン像
現在のところ、血行障害を起こす原因が解っていないため、発症を予防することや、発症した股関節を早く治す方法などはありません。幸いなことに、ペルテス病の場合には、病気となった大腿骨頭も数年の経過で次第に再生されてきますので、病気が治るまでの間、不適切な形に骨頭が変形しないように、維持することが治療の目的となります。
日本での発生率は、日本小児整形外科学会における多施設調査報告によると、10万人に0.9人程度ですが、実際には調査漏れ例が存在するので、もう少し多いと考えられています。好発年齢は4歳から8歳で、7歳前後での発症が多く、男児に女児の6倍以上に多く発症しています。