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腎臓内科

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概要

 わたしどもの科は、すべての小児腎臓病ならびに小児リウマチ/膠原病の患者さんを診療対象としております。
 疾患によって、泌尿器科臓器移植科内分泌・代謝科整形外科など他科と協力しながら診療を進めています。
 また病気を治すだけではなく、患者さんならびにご家庭ごとに適切な治療方針を検討すべく、外来・病棟看護師、保育士、心理士、子ども家族支援部門と定期的な連携をもち治療方針を決定しております。

 我々の施設は、小児特発性ネフローゼ症候群や、小児の透析、腎移植に関して、全国で有数の経験があります。これらの経験を生かし、小児期発症腎疾患のよりよい治療法を検討すべく、以下の研究会を立ち上げてきました。

小児難治性腎疾患治療研究会(1987年〜):事務局 濱田陸
日本小児PD・HD研究会(1986年〜):会長 幡谷浩史、事務局 濱田陸

 また近年は小児リウマチ/膠原病診療にも注力しております。
 全国有数の患者数をもとに、臨床試験科に協力をいただき

国際共同治験(非典型溶血性尿毒症症候群、アルポート症候群)
先進医療(難治性ネフローゼ症候群)
多施設共同臨床試験(頻回再発型ネフローゼ症候群、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群、小児慢性腎臓病など)
医師主導治験(小児高血圧、小児腎機能検査など)

にも中心的な施設として積極的に参加しております。

 また近年は、日本腎臓学会や日本小児腎臓病学会編集のガイドライン作成(小児特発性ネフローゼ症候群、小児IgA腎症、先天性腎尿路異常(CAKUT)、アルポート症候群、溶血性尿毒症症候群、慢性腎臓病(CKD)、腹膜透析など)にも関与しています。

 今後も、最新の医療を積極的に取り入れつつ、患者さんおよびご家族にとって最善の治療を行っていきたいと考えています。

集合写真

診療内容

 ネフローゼ症候群、IgA腎症をはじめとした慢性糸球体腎炎から透析、腎移植を要する末期腎不全まですべての小児腎臓病ならびに小児リウマチ/膠原病を対象としています。

1.高度専門医療

 泌尿器科・臓器移植科、外科、集中治療科など院内他科と協力し、小児腎領域の高度専門医療に積極的に取り組んでおります。

小児腎領域・他科領域関連の急性腎障害(AKI)診療

 急性腎障害(Acute Kidney Injury: AKI、かつては急性腎不全)は、何らかの原因で急激に腎機能が悪化し、尿量の減少・高血圧・浮腫・電解質異常(高カリウム血症、低カルシウム血症、高リン血症、代謝性アシドーシスなど)などをきたした状況です。
その原因として

腎臓領域では、
溶血性尿毒症症候群(志賀毒素関連,非典型)、急速進行性糸球体腎炎(ANCA関連腎炎、溶連菌感染後急速糸球体腎炎、紫斑病性腎炎など)、急性尿細管壊死、急性尿細管間質性腎炎など
小児科他科領域では、
血液・腫瘍疾患治療関連、心臓手術後、外科手術後、新生児関連(重症新生児仮死後、腎静脈血栓症など)など

が知られています。
 急性腎障害は、元々の病気の治療予後にも影響をおよぼすため、専門医による原因の精査ならびに綿密な管理が必要な状態です。当院では当科を中心に、重症の方は集中治療科と協力しながら診療を行っております。

急性血液浄化療法

 急性血液浄化療法は、急性腎障害(AKI)に対する持続血液浄化療法(Continuous Renal Replacement Therapy: CRRT)を中心に、様々な急性かつ重篤な状態の病気に対して行われる体外循環療法の総称です。重症な患者さんに行うことに加え、体格の小さな小児に行う場合には副作用(低血圧、低体温など)にも注意しながら同領域に精通した医療従事者による管理がかかせない治療です。
 当院では比較的安定した状態の患者さんは病棟透析室、綿密な全身管理が必要な患者さんは集中治療室で、腎臓内科医師、集中治療科医師、看護師、臨床工学技士がチームを組んで以下の治療に当たっております。

持続血液浄化療法:CHDF(持続血液濾過透析)、CHD(持続血液透析)、CHF(持続血液濾過)

様々な急性腎障害(AKI)に対して
血漿交換療法
 血液型不適合腎移植、巣状糸球体硬化症(FSGS)
 治療不応性川崎病
 血栓性血小板減少性紫斑病、非典型溶血性尿毒症症候群
 自己免疫性脳炎
白血球除去療法
 炎症性腸疾患
エンドトキシン吸着療法
 敗血症性ショック

末期腎不全診療

 当院でのこれまでの数々の経験をふまえ、小児期末期腎不全の患者さんが、少しでも健常児と遜色のない生活を送れるように診療にあたっております。

 当院では血液透析腹膜透析腎移植のいずれも行うことが可能です。

 各治療法にはそれぞれの長所ならびに短所があります。ですので保存期腎不全(CKD)の頃から、将来的な透析もしくは腎移植への展望をお話しし、より早期から泌尿器科医師、腎不全療法選択看護師と情報を共有することで、患者さん毎に最適な治療プラン・将来設計をチーム全体で計画していきます。

生物学的製剤使用

 近年、既存の薬剤では治療不応であった様々な難治例に効果を示す生物学的製剤が開発され承認を得ています.腎臓内科では難治性の小児腎臓病、小児リウマチ/膠原病に対して積極的に以下の薬剤を使用しております。

1.リツキシマブ: 抗CD20モノクローナル抗体
小児期発症難治性頻回再発型/ステロイド依存性ネフローゼ症候群
難治性顕微鏡的多発血管炎
血液型不適合腎移植
血漿交換抵抗性血栓性血小板減少性紫斑病(適応外使用、院内倫理委員会承認
小児期発症難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群(適応外使用、院内倫理委員会承認
難治性全身性エリテマトーデス(適応外使用、院内倫理委員会承認
2.エクリズマブ: 抗補体C5モノクローナル抗体
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)
3.アダリムマブ: ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体
若年性特発性関節炎
4.エタネルセプト: 完全ヒト型可溶性TNFα/LTαレセプター製剤
若年性特発性関節炎
5.トシリズマブ: ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体
若年性特発性関節炎

2.各ご家庭の状況に応じた医療の推進

小児腎臓病ならびにリウマチ/膠原病は、慢性に経過することが多く(慢性疾患)、一生涯にわたって上手に付き合っていくことが必要です。
近年さまざまな病気のガイドラインが作成され世に出ており、標準治療が日本全国に浸透するようになりました.標準治療が行き渡るのは勿論素晴らしいことです。
しかし、同じ病気の患者さんであっても、「年齢により」、「兄弟の有無により」、「家庭状況により」など様々な因子により最適な治療・診療は異なるのが実際です。
ですので当科では、腎臓内科の医師のみではなく院内の様々なスタッフ
 他科診療科医師
 心理・福祉科医師
 看護師/専門看護師
 保育士
 臨床心理士
 家族支援部門
 ソーシャル・ワーカー
 栄養科
 薬剤科  など
と月1〜4回のカンファレンスで情報共有を行い、チームで患者さんならびにご家庭毎の最適な診療プランを立てることを重視しております。

当院でのチーム医療の例(腎移植療法決定のプロセス)

3.腎臓内科で対象としている疾患

具体的には
<小児腎疾患>

<小児リウマチ・膠原病疾患>

が主な対象となる病気となります。

診療実績

1.主な疾患の診療数

各代表的疾患の当院での累計診療数は以下の通りとなっています。

ネフローゼ症候群 約1200例
(先天性・乳児ネフローゼ症候群 約50例)
溶血性尿毒症症候群 約100例
IgA腎症 約200例
紫斑病性腎炎 約400例
全身性エリテマトーデス 約120例
アルポート症候群 約40例
維持腹膜透析 約350例
維持血液透析 約200例
腎移植 約500例

またここ5年間の代表的疾患の新規診療数は以下の通りとなっています。

年度 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
年間外来患者数 4469 4760 5086 5671 6047
年間入院患者数 370 419 425 509 513
外来紹介(人/月) 17.8 21.3 19 21.6 23.1
主な疾患
初発ネフローゼ症候群(NS) 12 14 17 24 17
NS免疫抑制薬導入 5 8 5 10 7
ステロイド抵抗性NS 3 1 5 7 1
NSリツキシマブ使用 - 12 19 10 11
溶血性尿毒症症候群 7 7 0 3 7
(STEC-HUS/aHUS) (5/2) (7/0) (0/0) (3/0) (6/1)
IgA腎症 6 7 6 3 4
紫斑病性腎炎(生検症例) 7 (5) 13 (2) 6 (3) 8 (2) 9 (3)
感染後急性糸球体腎炎 9 7 5 7 8
ANCA関連腎炎 0 1 1 1 0
全身性エリテマトーデス 1 1 3 2 2
若年性特発性関節炎 - 2 4 3 3
腎生検 48 81 79 64 67
透析導入 7 2 3 4 9
(腹膜透析/血液透析) (6/1) (2/0) (3/0) (2/2) (7/2)
腎移植数 8 9 9 6 5
(生体腎移植/献腎移植) (7/1) (9/0) (7/2) (4/2) (4/1)

2017年度の新規入院患者数513人の平均在院日数は8.7日、1日平均入院患者数は12.4人でした。

2.腎代替療法選択に関して

当院では、腎臓内科医師、臓器移植科医師、腎不全療法選択看護師、臨床心理士など多職種でカンファレンスを行い、患者さん・ご家族に最適な腎代替療法を提供できるように取り組んでおります。
この20年間に末期腎不全に対して腎代替療法(腹膜透析、血液透析、腎移植)を行われた方の療法選択の推移は以下のようになっております。

図-1 近年20年間(1998-2017)の年代別透析療法選択

また当院では、泌尿器科・臓器移植科と連携し、1974年の第1例目を初症例とし、これまでに500例を超える小児腎移植をおこなっております。 2014年までの480例の患者さんの、年齢別の移植前療法内訳は以下のようになっております。

図-2 当院で行われた腎移植(-2014)患者さんの、移植時年齢別の事前透析療法

スタッフ紹介

氏名 幡谷 浩史(はたや ひろし)
役職 部長
総合診療科兼務
専門分野・得意分野・
研究分野
小児腎臓病
小児透析
主な資格等 日本小児科学会専門医・認定指導医
日本腎臓学会専門医・指導医
日本透析医学会専門医・指導医
日本移植学会移植認定医
日本小児腎臓病学会理事
氏名 濱田 陸(はまだ りく)
役職 医長
診療科責任者
専門分野・得意分野・
研究分野
小児腎臓病
小児透析
小児腎移植
膠原病
主な資格等 日本小児科学会専門医・認定指導医
日本腎臓学会腎臓専門医
日本透析医学会専門医
日本臨床腎移植学会認定医
日本小児腎臓病学会代議員
氏名 原田 涼子(はらだ りょうこ)
役職 医員
専門分野・得意分野・
研究分野
小児腎臓病
小児透析
小児腎移植
主な資格等 日本小児科学会専門医・認定指導医
日本腎臓学会腎臓専門医
日本透析医学会専門医
日本移植学会移植認定医
日本小児腎臓病学会代議員
臨床腎移植認定医
氏名 寺野 千香子(てらの ちかこ)
役職 医員
専門分野・得意分野・
研究分野
小児腎臓病
主な資格等 日本小児科学会専門医・認定指導医
日本腎臓学会腎臓専門医
小児腎臓病学会代議員
氏名 井口 智洋(いのぐち ともひろ)
役職 医員
専門分野・得意分野・
研究分野
主な資格等 日本小児科学会専門医
氏名 白根 正一郎(しらね しょういちろう)
役職 医員
専門分野・得意分野・
研究分野
主な資格等 日本小児科学会専門医
氏名 泊 弘殿(とまり こうき)
役職 非常勤
専門分野・得意分野・
研究分野
主な資格等 日本小児科学会専門医
氏名 赤峰 敬治(あかみね けいじ)
役職 非常勤
専門分野・得意分野・
研究分野
小児リウマチ膠原病
主な資格等 日本小児科学会専門医
氏名 島袋 渡(しまぶくろ わたる)
役職 非常勤
専門分野・得意分野・
研究分野
主な資格等
氏名 案納 あつこ(あんのう あつこ)
役職 非常勤
専門分野・得意分野・
研究分野
主な資格等
氏名 本田 雅敬(ほんだ まさたか)
役職 臨床研究アドバイザー
専門分野・得意分野・
研究分野
小児腎臓病
小児透析
膠原病
主な資格等 日本小児科学会専門医・代議員
日本小児腎臓病学会前理事長
日本小児腎不全学会評議員
日本腎臓学会専門医・指導医・評議員
日本透析医学会専門医・指導医
日本小児薬理学会運営委員
氏名 石倉 健司(いしくら けんじ)
役職 非常勤
専門分野・得意分野・
研究分野
小児腎臓病
小児透析
主な資格等 日本小児科学会専門医・認定指導医
日本腎臓学会専門医・評議員
日本小児腎臓病学会理事
日本慢性腎臓病対策協議会理事
氏名 濱崎 祐子(はまさき ゆうこ)
役職 非常勤
専門分野・得意分野・
研究分野
小児腎臓病
小児透析
主な資格等 日本小児科学会専門医・認定指導医
日本腎臓学会専門医・評議員
日本臨床腎移植学会認定医
日本移植学会移植認定医
氏名 三上 直朗(みかみ なおあき)
役職 非常勤
専門分野・得意分野・
研究分野
小児腎臓病
主な資格等 日本小児科学会専門医
日本腎臓学会専門医
小児腎臓病学会代議員
PALSプロバイダー
NCPRプロバイダー

医療機関の先生方へ

1.緊急受診が必要な場合は「濱田」もしくは「幡谷」までお電話にてご相談ください。

2.初診は月曜日から木曜日までの毎日おこなっています。
学校検尿や3歳児検診での検尿異常のための外来枠を月曜日午前中に設定しております。
2018年9月より小児リウマチ膠原病外来を開設しました。
尿路感染症のために入院して治療した子どもたちの外来通院は、火曜日の尿路感染症外来で対応致しております。尿路感染症後の検査が必要な場合にもご紹介いただければ、諸検査を当科で担当させていただくことも可能ですので、ご利用ください。

3.経過が長い場合には、受診前に紹介状を「濱田宛」にお送りいただけますと、あらかじめ外来までに準備ができ、診療が円滑に行うことができます。受診当日にもコピーをいただけると助かります。

4.当科で検査した後、ご紹介いただいた先生になるべく早い時期に情報提供を行うことを努めています。当科での治療後、患者さんの状態が安定期を迎えた場合には、定期的なフォローアップをお願いすることもありますので、よろしくお願いします。

5.このたび「小児のCKD/AKI 実践マニュアル−透析から移植まで」を東京都立小児総合医療センター腎臓内科編として出版いたしました。
多くのガイドラインが出来てきましたが、具体的な方法が記載されている小児腎不全治療のマニュアルはありません。そこで様々な方からのご要望もあり、日本で一番多くの患者を見てきた東京都立清瀬小児病院から東京都立小児総合医療センターの経験を生かして、マニュアルを作成しました。是非ご参考にしていただければ幸いです。
「小児のCKD/AKI 実践マニュアル−透析から移植まで」(表紙)はこちら(外部サイト)