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各診療科・部門紹介

虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)―胸の痛み、圧迫感、冷や汗、労作時の息切れなど

虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)とは

狭心症―労作性狭心症、冠攣縮性狭心症、無症候性心筋虚血

動脈硬化が進行すると(図1)のように血管は徐々にせまくなります。冠動脈が動脈硬化性に細くなり狭心症を来たすものを労作性狭心症といいます。典型的な症状は、運動をしたり階段を上がったりするときに生じる数分間持続する胸痛や圧迫感・息切れで、安静にて症状が消失します。冠動脈の狭窄がなくても血管壁の痙攣(スパズム)によって胸痛を生じることがあります。これが冠攣縮性狭心症で、夜間早朝や安静時に症状がおこることが特徴です。

症状のない狭心症は無症候性心筋虚血とよばれ、心臓は虚血にさらされていても、症状の感じ方が鈍くなっているため症状を感じないという状態です。糖尿病や高齢者に多く、症状がなくても治療をしないと、後述する心筋梗塞のリスクとなるため早急な治療が必要です。


図1 狭心症

心筋梗塞

冠動脈が完全につまり血流が途絶えてしまうと心筋が壊死をおこしはじめます(図2)。この状態を心筋梗塞といいます。日本での心筋梗塞発症数は年間約15万人で推定死亡率は30%といわれています。突然おこる強い胸痛、冷汗、左肩へ放散する違和感、死の恐怖を感じるなどが症状の特徴です。心筋が壊死しきってしまう前に、血流を再開することが必要であり、緊急に心臓カテーテル検査を行う必要があります。


図2 心筋梗塞

心臓は全身に血液を送るポンプですが、心臓自身の筋肉へ血液をおくり、酸素や栄養を供給する血管を冠動脈といいます。冠動脈は左右に1本ずつあり、左冠状動脈はさらに2本に枝分かれし、全部で3本の大きな枝から成り立っています(図3)。冠動脈が動脈硬化やけいれん(攣縮)などのために狭くなったり、詰まったりすると、心筋へ十分な血流が行き渡らなくなります(図4)。この状態を心筋虚血といいます。狭心症や心筋梗塞のリスクとして、糖尿病、高脂血症、喫煙、肥満、高血圧、家族歴が挙げられます。これらを有している方は、特に注意が必要なため定期的な心臓検診をおすすめします。


図3 冠動脈

図4 プラークによる動脈の狭窄

当院での検査・治療

当院では、冠動脈CT、心筋シンチグラフィなどを用いて患者様の体に負担のかからない方法で評価することを心がけています

冠動脈CT(図5)

当院は320列CTを有し積極的に冠動脈の評価をおこなっています。320列CTは従来のCTよりも撮影の範囲が広いため、素早い検査が可能です。


図5 冠動脈CT

トレッドミル運動負荷心電図

心電図をつけながら、トレッドミル(ベルトコンベアー)の上を歩行していただく検査です(図6)。運動中に狭心症の症状や心電図変化がおこるかどうかを評価できます。


図6 トレッドミル運動負荷心電図

運動、薬剤負荷心筋シンチグラフィ

運動もしくは薬剤投与にて心臓に負荷をかけ、アイソトープ薬品を注射します。アイソトープ薬品の心臓への分布の仕方により狭心症を評価することができます(図7)。造影剤アレルギー、喘息、腎機能障害を有する患者様でも施行することができます。


図7 シンチ画像(矢印は下壁の虚血)

ホルター心電図(24時間心電図)

24時間連続して心電図を記録します。患者様は症状があるとき器械のボタンをおしていただきます。この検査では症状があるときの心電図変化、無症候性心筋虚血、不整脈を評価することができます。

心臓カテーテル検査、心臓カテーテル治療(経皮的冠動脈形成術)

検査で虚血性心疾患が疑われる患者様は、心臓カテーテル検査で診断を確定します。また、急性冠症候群がうたがわれる患者様については、できるだけ早く冠動脈の血流を改善させることが必要なので緊急に心臓カテーテル検査を行います。
心臓カテーテル検査は、レントゲン透視画像を見ながら、太さ1.4mmから2.0mmのチューブを、手首(橈骨動脈)、肘(上腕動脈)もしくは太腿の付け根(大腿動脈)の血管から冠動脈に挿入し、造影剤を注入することにより冠動脈を評価する検査です。また、薬剤を用いて冠動脈の痙攣(スパズム)を評価することもできます。 冠動脈に狭窄や閉塞を認めた場合には、経皮的冠動脈形成術を施行します。まず狭窄部に細いワイヤーをとおします。次にワイヤーに沿わせてバルーンを狭窄部にもっていき拡張します(図8)。バルーンのみでは拡張が不十分な場合には、ステント(円筒状の金属製の網)を留置します(図9)。ステントは様々なサイズと種類があります。薬剤溶出性ステントは、ステントの表面に薬剤が塗ってありステントの再狭窄を抑制できる効果があります。冠動脈病変の状態や患者様の年齢、全身状態などを考慮して適切なステントの選択を心がけています。また、動脈硬化が進行すると血管が石のように硬くなり(石灰化)、バルーンで拡張できないことがあります。このような石灰化が強い病変に対してはロータブレーターを使用します。ロータブレーターは先端にダイヤモンドチップがついており、高速で回転させることにより石灰化を削り、バルーンで拡張できるようにします。
また、当院ではエキシマレーザーによる冠動脈形成術も併用しています。エキシマレーザーは、カテーテルの先端からレーザー光を照射するカテーテル治療器具です。これまで先進医療として行われていましたが、平成24年7月から保険適応された最新の治療法です。風船療法(PTCA)のみによる治療が困難な冠動脈狭窄、閉塞病変部を、エキシマレーザー照射により焼灼、除去するものです。エキシマレーザー血管形成装置から供給されるレーザー光を、経皮的に冠動脈内病変部に挿入されたエキシマレーザー血管形成用レーザーカテーテルを介して狭窄、閉塞病変組織に照射することにより、病変部を蒸散、除去し、血管内腔を拡大します。


図8:バルーンによる拡張

図9:ステント留置術

冠動脈バイパス術

前述したカテーテル治療によって多くの病変は治療可能ですが、冠動脈病変の場所や形態によってはカテーテル治療が不適切な病変もあります。その場合、心臓血管外科と連携し冠動脈バイパス術によって治療いたします。

最終更新日:2018年2月28日